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「なんてことだ!こんなところで会えるとは、私は本当に幸運だ。神が与えたもうた奇蹟だ。ああ麗しいエリア、また君に会えて私は一日に二度、この美しい日本の太陽を浴びた気分だよ。妻も君に逢いたがってる。娘も来てるんだ。すぐそこのホテルだ。さあ、行こう。すぐに行こう」
とか本場のイタリアンナンパトークで、ぐいいぐい手を引っ張ってくるので、九王沢さんも断り兼ねたらしく自分の会費をさっさと払うと、
「すみません。皆様これで失礼します」
あわただしく、そのおじさんの迎えの車に乗って居なくなったと言う。誰も引き留める間もなかった。まさに完敗である。
「つーか巨匠ヴァイオリニストのイタリア人にお持ち帰りされたなんて、合コンのネタにもなりゃしねえよ!」
まったく、なんってひどいオチだ。
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