Phase.3 掘り出された運命的直観

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Phase.3 掘り出された運命的直観

「那智さん、那智さん」  そんなことを考えながら一緒にクリスマスイルミネーションを見ていると、ふいに九王沢さんが改まって言ったので、僕は途端に身構えた。 「どうかしたの」 「那智さんの男性としてのご意見をうかがいたのですが」  あ、また何か思いついた顔だ。 「ちょっとあそこを見て下さい。カップルさんがいらっしゃいますよね」 「うん…いるね」  レンガ街の海岸端はベンチが置かれていて、休憩スペースになっている。当然カップルの姿も多いのだが、その中に背の小さなポニーテールの女の子を連れている組み合わせがあったのだ。まだ高校生だろうか、少し背の高い彼氏と腕を組んで楽しそうに笑っている。  九王沢さんはそれを、サバンナの夜行性動物を暗視するときのような真剣な表情で見ると、 「あちらの女性の方はどうでしょうか?」 「どう、って普通にいいんじゃないかと思うけど」  九王沢さんにはもちろん劣るが、表情が豊かで親しみやすい感じの子だ。 「容姿はいかがですか?年齢は?体型は?那智さんの好みに合いますか」 「いやだから、かわいいんじゃない?」     
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