第一章-3
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「そこには角があるのだ。だが、見えんようにしておる」 「えー、見たい!
火白兄
(
ひしろに
)
ぃ、見せてよぅ」 父親に抱えられたまま、興味津々というふうにお夏は手足をばたつかせた。 「後でな、後で」 思いのほか自由なお夏に笑いかけながら、さて、仕事はこれでどうにかなりそうだ、と火白は煙管の端を口にくわえたのだった。
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