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『クソッ…ニンゲンフゼイガ!』
続いて三体が同時に襲い掛かってくる。各々の武器はやはり人間の遺物、中にはは日本刀らしき鉄製の剣を構えていた。
三体同時に相手にするのは愚策。一流と呼ばれる者達でも一度引いて態勢を立て直すのが基本なのだが、男はそうしなかった。
彼は最初に目に付いた個体を飛び膝蹴りで吹き飛ばすと、一気にその包囲網から抜け出した。
その着地と同時に腰に巻いたベルトから手の平大の投げナイフを二本引き抜くと、振り向きざまに投擲する。狙いは首元、生物の弱点である部位だ。一直線の軌道を描いた刃達は吸い込まれるようにメロウ達の首に深々と突き刺さった。
『…ッ、ガッ……!』
頸動脈を切り裂かれたのか、鮮血が噴水のように噴き出る。ゆらりゆらりと身体を揺らした後、二体は地面に崩れ落ちた。
「……死ね」
残った一体の額に戦斧の柄を突き刺して絶命させると、男は息を吐いた。
そして、背後まで息を殺して忍び寄っていたメロウの胸部に回り蹴りを叩き込む。
ゴキリ、と鈍い音がすると同時にその個体は吹き飛んだ。
『グギッ、ガッ、ゴボッ……』
折れた肋骨が肺に突き刺さったのか、口の端から泡を溢して呻き声を上げる
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