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 あの日先生が、怖い顔をしてなにか言ったのよ。とても恐ろしいこと。  ああ、思い出せない。  あきらめちゃダメ。今あたしがこんなことになってる理由を探らなきゃならないんだから。  真っ暗で、指先一つ動かせなくて……なにがなんだか分かんなくて。ううっ。  ホント、あたしどうなっちゃったんだろう。全身の感覚がなくて、真っ暗闇に浮いてるみたい。どこまでも、どこまでも、ずっとずっと漂って。うううん、漂っている感じすらしないの。  せめて寝ている感覚くらいあればいいんだけど……。頼るものがなんにもないって、こんなに心細いんだなあ。  こうして考えることはできるんだけど、まるで身体が無くなっちゃったみたい。  思い切り喚きたいけど喚けない。これならさっきみたいにパニックになったほうがいいくらいよ。なんだか落ち着いちゃって、自分が自分じゃないみたい。  身体っていう枠を感じてられたから、自分が自分でいられたのかな。なんだかあたし、どんどん流れ出していきそう……。ずっと広がって、薄くなって……消えちゃうのかも。  
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