終末の週末

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 老人の問いに私は首を振った。一応、黒いノートを取り出し、確認するが何も書かれていない。 次はどうしようか。こめかみを叩き、考える。左右に視線を動かしながら、私はそれを見つけた。そうだ。これでいいだろう。私はノートに挟んでおいたペンを走らせた。そして、それを老人に見せる。 『この本を読み終えます』  横に置いてあった本を軽く叩く。 「そうかい。……ゆっくりしていってくれ」  そう言い残して老人は、再びロッキングチェアへと向かった。邪魔をしないようにとの彼なりの配慮だろうか。 「何かあったら、声をかけてくれ」     
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