終末の週末

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 自然と声が出た。まだ何かやれることはあるかもしれないが、今日の予定は終わったのだ。もういいだろう。あくびをして私は自宅へと向けて歩き始めた。  日曜日。  さえずる鳥の声で、私は目を覚ました。身を起こして、顔を顰める。服装が前日の格好のままだった。昨日帰宅してそのまま眠ってしまったようだ。皺くちゃになったシャツを脱いで、部屋着へと着替える。いつものように顔を洗い、書斎に入る。乱雑に放ってあった鞄から入れっぱなしだった黒のノートを取り出した。  今日の予定も確か、メモしておいたはずだ。朧気に残る昨日の記憶を頼りにノートを開く。そこには眠かったのかミミズ文字で何やら書かれている。一文字ずつ読み取っていく。 『掃除をしよう』  そうだった。洗濯物も随分溜まっているし、部屋も埃っぽい。最後に掃除をしたのはいつだっけか。記憶を辿るが、思い出せない。     
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