終末の週末

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 グルグルと回る思考回路は、食べたいものへとたどり着く。夕飯は先ほど食べたばかりだというのに、ぐぅと腹が鳴った。  こぼれ出た欲求を私は、何かに書き留めようかと机を漁る。引き出しを開け、見つかったのは一つの黒いノートだ。日記帳と三年ほど前に購入したものだが、使用されたのは僅かに数ページだけ。私のやる気が持続しないがために、数年放置された日記帳の真っ白なページが、責める様に目に飛び込んでくる。  世界の終わりなんです。大目に見てください。  誰に言い訳するわけでもなく適当な思いを吐いて、私は白いページにカレーを食べようと簡潔に書き込む。  よし、とりあえずやりたいことは一つできた。後は行動に移すだけだ。私は万年筆を置いた。計画表に目標は一つのみ。生憎私にはそれ以上持ちきれそうにない。  首を左右に振って、大きなあくびをする。物思いにふけるなんて慣れていないことをしていからだ。完全に脳がオーバーヒートしている。そろそろ眠ろう。書斎を出て、私は寝室へと足を向けた。     
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