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「ぼっちゃま!」
静寂を破る甲高い声がこだまする。足早に老年の悪魔は、バルコニーで塔を見る少年に近づく。
「またここにいらっしゃったのですか!探しましたよ!」
彼の名はネーダ
魔王城お抱えの執事長である。
ぼっちゃまと呼ばれた青年は闇の向こうにある塔を見つめたまま答える
「ああ、すまん。すぐに戻るさ」
ネーダはため息を一つつくと
「明日は大事な戴冠式、寝坊は許しませんからね!」
足早に去り城内に消えていくネーダを見送り少年はまた塔を見つめる
「理力の塔か…」
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