後日談(3)

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*** 翌日から、ヴァロンは朝早く仕事に出掛けて行った。 夜に帰ってくるけど、遅くて……。 次の日も、また次の日も……。 ヴァロンは朝から晩まで仕事。 帰って来ても、夕飯を済ませるとまた夜中まで机に向かって仕事。 最初起きて待っていたけど「先に寝てて」って、いつも言われちゃって……。 すっかりすれ違いの生活だった。 「……寂しい、な」 ヴァロンのいない部屋。 朝から夜までヴァロンを待つ生活。 召使いの時はいつも一緒だったのに、恋人になった今の方が離れ離れなんて……。 シーンとした家の中で、募る想い。 沈んだ気持ちを振り払って、私は洗濯しようと昨日ヴァロンが着ていた服を手に取った。 ……あ、ヴァロンの匂いだ。 ……。す、少し……だけ。 彼の大きなシャツに袖を通して、自分をギュッと抱く。 フワッと薫る、優しいヴァロンの匂い。 ーー抱き締めてほしい。 そんな気持ちで、いっぱいになった。
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