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***
ヴァロンとのすれ違い生活が続いた、10日後ーー。
「……ん、リディア?」
眠る私の頬に触れる温もり。
気持ち良くて、私は思わずその温もりに手を伸ばした。
すると手に触れたのは、リディアのフワフワの毛並みじゃなくて……。
大きな、手。
そっと目を開けると、そこに居るのはベッドの脇で身を屈めて私の顔を覗き込む、ヴァロンの姿。
「!っ……ヴァロン?」
「悪い、起こしちゃったな」
彼の言葉に、私は首を横に振りながら身体を起こす。
窓の隙間から差し込む朝陽。
時計を見ると、もうすぐ朝の6時。
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