後日談(3)

9/14
前へ
/103ページ
次へ
「今、帰ってきたの?」 昨日の朝出掛けた時と同じ服装のヴァロン。 私が尋ねると、彼は返事の代わりに微笑んで立ち上がる。 「風呂入ってくるからさ。 朝ご飯の準備、頼んでいい?」 「えっ?」 「死ぬ程腹減ってるから、昨日の夕飯もまとめて食うわ。 作ってくれたんだろ?あれ」 彼は服を着崩しながら、食事用のテーブルがある方向を指差す。 その上には、用意して温めるだけにしておいた私の手作りの夕飯。 食べて、くれるんだ。 嬉しくて、笑みが溢れる。 「う、うんっ! 準備しておくからお風呂入ってきて?」 私はベッドから慌てて降りると、ウキウキしてキッチンへ向かった。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加