後日談(4)

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「……全く。 サインなんて誰でもいいだろうに……。 あの男に強引に、何度も頼まれたよ。 『貴方に認めてもらえなくては、意味がない』……とな」 証明書を驚いて見つめる私に、アルバート様が溜め息交じりに、でも優しい声で教えてくれた。 この国では18歳になれば、親族の同意が無くても結婚出来る。 友人や職場の人のサインだけで、いいのに……。 ヴァロンはそれをアルバート様に、頼んでくれたんだ。 私の祖父に……。 結婚を許してもらう為に……。 何度も何度も、アルバート様に会いに行ってたの? 私は、居間に戻って来て淹れた紅茶をテーブルに置くヴァロンを見つめた。 彼は私の視線に気付いて微笑むと、お盆を置いて姿勢を正しアルバート様に頭を下げる。 「結婚を認めて頂き、ありがとうございます。 ……必ず、アカリさんを幸せにします」 「っ……」 嬉しくて、幸せで……。 たくさんの感情が溢れて……。 私の瞳からは涙がポタポタこぼれ落ちた。
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