いただきます

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いただきます

 私はその日、死ぬつもりだった。  ビルの屋上へと続く階段を上りながら、片手に握りしめた封筒に目を落とす。この薄っぺらい紙切れに、これから私が行おうとしていることへの言い訳をひたすらに綴った。要するに、遺書である。  不思議と心は落ち着き払っていて、むしろここ最近感じていなかった昂揚感すらあった。  こう言うと、前々から自殺を考えていたように聞こえるけれど、死んでしまおうと思い至ったのはつい先ほどのことである。
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