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彼の夢はバリスタということは交際中に聞き、冗談混じりに流していたら、ほんとだった。
めんどくさくてがんばれがんばれと背中知らぬ間にを押していた私にも非があるということで、一緒にカフェを始めることになった。
「昔は私の後ろ付いてきて、夢は何?って聞いても。何にもないって言ってたのに。自営業なんて、ほんとビックリだよ。」
「そうだね。」
「...、私さ。今だから言えるけど、ずっとあんたのこと煙たがってたんだ。」
「うん。」
知ってる。あの時には気付かなかったけど、今だったらよく分かる。
「でも、今は本音で話してる。ほんとだからね。嘘偽りないよ。」
「分かってるよ...。」
私も他の人と本音で話し合ってなかったから、よく分かる。
「しっかりとやりなよ。彼と。」
「あんたもね。」
私は、今も夢を見ているのかもしれない。
白馬の王子様も白雪姫もいない、ちょっと質素だけど、温かい夢。
そんな夢を私は正面から見つめたいと思う。
白雪姫の甘い夢はもう終わり。
君が夢になってくれるって言ったから。
私はこの夢を見つめたいと思う。
君と一緒に。
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