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梅郷キャンパスは、学生数がピークを迎えていた30年前に建てられた郊外型キャンパスだった。
郊外の広大な敷地に贅沢に建てたキャンパスは当時、多数の大学が取った手法で人気だったが、少子化の時代を迎えた現在は都心部に還る傾向にある。
最近では売りに出されている郊外型キャンパスもあると言う。
この大学の郊外キャンパスも、今は使われていない建物も多く、ほとんどが静かな環境で研究に没頭したい変わり者教授の為の研究施設となっている。
現在では講義の数自体が少なく学食等も閉鎖されており、夕刻ともなれれば学生の姿はほとんど見られなくなる。
電気の点いている窓もまばらだった。
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