1 12才だけどワケあり6才+記憶喪失=イケメン変人義兄4人

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 いくら処理済みとはいえ、売っていいの?! 「こっちはちゃんと買い取って所有権持ってんだ。浄化もしたし、その後どうするかは買い手の自由だろ」  うん、まぁね? 「店ってどこで」 「士朗兄貴が骨董店やってんだよ」  は。 「あ、自営業ってそういうこと!」 「ああ。こういうのを処理し、売ってる」 「この子は髪の毛とかしたり、綺麗にしてあげないとねー。お洋服はアタシが作るわ」  お人形遊びの人形じゃないよ。呪いの人形だよ。 「ま、骨董屋始めたのは俺だ。先祖代々やってたのは占い」 「占い?」  水晶玉のぞきこむ魔女のイメージ。 「陰陽道は本来占星術だ。時の有力者につき、分かりやすく言うと破滅フラグ回避の方法を占ってた」  分かりやすい現代的説明。  権力者についてたなら、金持ちなはずだわ。 「でもこれは俺の代で辞めた」 「なんで?」 「そういうやつらの決断なんて、占いに頼らずやるべきだろ。それに、プライドばっかり高くてうるさい年寄につきあうのはまっぴらだ」  色々あったみたい。 「占い結果そのものも、比良坂家に都合のいいように変えて伝えてたしな。そんなインチキ、やめるべきだ」 「確かに」 「で、俺は政治だのなんだのと縁切って、ただの骨董屋始めた。ヤバいアイテム処理なら人助けにもなるしな」 「士朗お兄ちゃん、すごいね!」  純粋に尊敬して、腕にしがみついた。 「ね、あたしにも教えて!」  四人とも複雑な顔した。 「桃ちゃん、危険なことはやらなくていいのよ?」 「そうですよ。士朗さんは簡単にやってますが、簡単じゃないですからね」 「これだって士朗兄貴が個人的理由でやってるだけだし」  でも、居候の身で何も手伝わないわけにはいかない。 「このうちに来る予定だったってことは、あたしにも素質あるんでしょ? 手伝いたい」 「お手伝いなら、普通に皿洗いとかでいいのよ」 「―――分かった。いいだろう」  OKしたのは士朗お兄ちゃんだった。 「いいんですか?!」 「護身術として教えとく。そうすれば、危険が迫っても、例えばまた事故に巻き込まれても身を守れる」 「…………」  三人は押し黙った。  そう。あたしに力があれば、今度は誰かを助けることもできるかもしれない。 「そりゃそうだけどよ」 「どのみち、知らなきゃこの家で暮らしてくこともできないだろ」 「まぁね。まず迷うわね」  士朗お兄ちゃんはあたしを見た。
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