3 妖狐警察長官(美少女JS)と小学校初登校!

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 六年間意識不明で体の成長も停止、本当の年齢は12だってことは伏せた。  言わなくていいこともある。  ただ、孤児だって明かしたことは驚かれた。 「あー、事実なんで。家族のこと何かの拍子に聞かれても話せないんで、先に言っといただけで。気にしないでねー」  あっはっは。  勤めて明るく言った。  学業面では、少レベルは問題なかった。先取学習してたのか、特に苦も無くついてける。  教育熱心な親だったのかも。  ……。親……。  物理的に頭を振り、考えを払った。  ……最期を見たショックから、あたしは記憶を消した。たぶん今記憶が戻っても、やっぱり耐えられないだろう。  ただでさえ新しい環境に慣れるのに精いっぱいで、他のことまで気が回らない。  だから、考えるな。  意図的に思考を停止させた。  初日は無事終わった。  クラスメートとも話せたよ。人間じゃない子ばっかだったけど。 「応接室まで送ってくわ。道分からないでしょ」  綺子ちゃんが送ってくれた。翠生お兄ちゃんはまだ仕事だもん。  ―――さあ、懸案の長兄はいかがかな?  予想通りというか、想定以上というか、ガッカリなのは間違いなかった。  横になって、だらだら漫画読んでる。  どこにあったのよそれ。 「……士朗お兄ちゃん。ここ、うちじゃないんだよ」  苦言を呈する。 「ああ。桃、お帰り」 「お帰りじゃないでしょ。好意でいさせてもらってるのに、なにこれ。本そうしたの」 「ヒマだろうと思って持ってきてた」  私物かよ。  つーか、くつろぎすぎ。  お茶にお菓子まで出してもらって、ほんと申し訳ない。兄に代わって頭下げます。  年の離れた小学生の妹に謝罪させるって兄としてどうなんだ。  綺子ちゃんなんかロコツに軽蔑の眼差し向けてる。 「昔っからこうね。怠け者で自堕落でやる気なし。やればできるくせにやらない」 「俺がやるきある奴じゃまずいんじゃないか」  士朗お兄ちゃんは不思議なこと言った。 「あんたの事情は理解してるわよ」 「そ。俺は『役に立たない愚か者』でいいんだよ」  絢子ちゃんはため息ついた。 「そう見せかけることで生き延びてきたのは知ってるわよ。でももう必要ないし、妹の前でしょう」  士朗お兄ちゃんはのろのろ起き上がって片付けた。
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