4 陰陽師の修行は逆ハーレムRPG攻略で(イミフ)

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「他にも分家から連れてこられた子いたの?」 「いいえ。素質あって年が近いのはアタシらくらいよ」  あたしは首をひねった。 「あたし一人だけ歳離れてるね」 「言っただろ、素質がある子を集めてたって。思ったより少なかったんで、後の方じゃ年齢関係なく囲い込んどくことにしたんだよ」  士朗お兄ちゃんを補佐するための人材。……確かにこの怠惰な兄は複数人で尻叩かなきゃ駄目かも。 「そうそう、桃ちゃん、こいつに仕事しろって言ってやって。アタシらの言うことは聞かなくても、桃ちゃんの言うことなら聞くでしょ」  母親が娘に「お父さんに言ってやって」って感じ。 士朗お兄ちゃんが父親、蒼太お兄ちゃんが母親、あたしが娘か。あながち間違ってないかもしんない。 士朗お兄ちゃんの袖を引っ張った。 「士朗お兄ちゃん、仕事たまってるんでしょ。あたしに術教えてくれるって約束だし、教えついでにやってみせてよ」 「しょうがないなぁ」  娘に甘い父親、じゃなかった兄は快諾した。 「桃の頼みなら嫌とは言えない」 「うん、桃ちゃん、こいつの操縦任せたわ」  任されたくないなぁ。  あ、正直な感想が。 ☆  連れてかれたのは昨日も来た何もない部屋だ。 危ないブツを使う際はここでやるらしい。結界張ってあって、周囲に被害が及ばないようにだってさ。  で、渡されたのはゲームのコントローラーだった。 「何これ」 「コントローラー」 「それは分かるよ。なんで修行でコントローラー持たされんのよ」 「これやるから」  掲げられたソフトのタイトルは『王子様ロックオン☆(OH MY OJI)』。 「……………………」  言っていい?  ダっサ!  タイトルだっさ!  つーか、は?! ツッコミどころが多すぎる! 「何このイラストとかテイスト! 腐女子向けか!」  逆ハーレム設定のRPGかい! 「こっちは攻略本な。呪文は昔の文字で、図形も特殊だからこれないときついぞ」 「マジでこのゲームやらせんの?!」  攻略本。分厚くてめちゃくちゃ重いんですけど! 「もちろん。勉強用ソフトだ」  真面目に勉強用ソフト作ってる人に謝れ。 「陰陽師の修行を逆ハーレム設定のRPGでやるとか、聞いたことないわ」 「ちゃんと考えて作ったんだけどな? 紅介とか、勉強嫌いで全然覚えなくてさ。面白……苦肉の策でゲームにしてみたら覚えまくるでやんの」
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