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綺子ちゃん見れば、「アホらしい」ってオーラ全開だった。
「……綺子ちゃん。ごめん、さっきから幻聴聞こえるよ」
「幻聴じゃなくて現実」
「……マジで? えーとさぁ、確認するよ。神様たちがケンカしてるのって……」
「今度計画されてる『みんなで楽しく遠足!親睦会☆☆☆~新レジャー施設にオープン前特別先行入場~』に持ってくおやつに関する議題。おやつ代300円で、バナナはおやつに入るかどうか」
「く」
口に出すのはさすがに思いとどまり、心の中で叫ぶ。
くだらない―――!
駄目だ。「は?」ってなる。ツッコミたくてしょうがない。
神様たち何やってんの?!
「小学生の遠足かっ」
「なにしろ人外だからね。ルール決めとかないと、とんでもないもん持ってきたりするのよ」
「だからって、絶対おかしいよ?!」
「平和よね」
綺子ちゃん、めんどくなってそれでまとめることにしたな。
確かに平和だね!
「ところで士朗兄ちゃん。そこで真剣に考えこまないでくれる? 参加する気か」
「いや、これは重要な問題なんだぞ。長年続き、いまだに結論が出ない、いわば永遠の命題で」
「寝言は寝て言ってね」
イケメン義兄をばっさり切り捨てておいた。
「比良坂士朗。あんたも参加するために呼んだんじゃないのよ」
「分かってるよ」
ちょっとの間に姉弟神様の論題は関係ないとこまでいってた。
「あんたはいっつもそう。だらしなくていいかげんで。奥さんが脱いだ服くらい洗濯物カゴに入れといて欲しいって嘆いてたわよ! 裏返しなのを元に戻してからってのはあきらめたって」
「姉貴がきっちりしすぎなんだよ。服のたたみ方とかどうでもいいじゃねーか。文字も汚いだの文法もなってないだの、いちいち添削して返してきやがって」
「最近はゲームばっかしてるそうじゃない」
「しばらくぶりに再会したダチと遊んでんだよ」
喧々囂々。
普段の生活態度だの、前から思ってた不満とかに変わってきた。
こりゃだめだ。収拾つかないやつ。
そういや家臣団、後ろにいるのに静かだなーと思ったら、ただ控えてるだけで参戦するつもりはないらしい。終わらせてほしいオーラがありありと。
「ねえ、何で士朗お兄ちゃん呼ばれたの? あれ、姉弟神様のケンカなんでしょ。陰陽師の担当分野じゃないじゃん。神様なら神主さんの担当じゃないの?」
ジャンル違うよね。
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