6 「バナナはおやつに入りますか?」神様たちの大論戦

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「まぁね。でも比良坂士朗はいいのよ。ほら、さっさと仲裁してきな」 「言われなくてもやるって」  めんどくさいとぼやきながらも、士朗お兄ちゃんは歩いて行った。 「はい、そこまでー」  二人の間に割って入る。  と、神様たちは怒るどころか慌てた顔した。 「あ、士朗」  バツが悪そう。  あれ、神様がこんな反応するなんて。実は士朗お兄ちゃんてすごい人?  ……ないな。  普段のぐうたらぶりから速攻予想を否定した。 「めんどくさいことやってるな。まったく。よし、こうしよう。おやつ代として全員一律300円徴収。俺がまとめて全員同じの買ってきて配る。それ以外は認めない。いいな?」 「はあ? 自分の好きなもん持ってきたい」 「そうよ。それに、士朗の手間が大変でしょ。だから」 「ならいっそ、おやつナシな」 「それは嫌!」  全会一致の異口同音。家臣団まで賛同した。  かみさまー。  士朗お兄ちゃんは頭をかき、 「だろ。てわけで、決定な」 「待てよ、そん―――」 「そうよ、なら―――」  言いかけて、二人とも尻切れトンボになった。  士朗お兄ちゃんが黙ってじっと見てたからだ。  視線だけで神様黙らせられるって。士朗お兄ちゃんって一体……。  そこでふと、彼らはあたしや綺子ちゃんに気付いたらしい。慌ててその条件で承知した。  ああ、警察長官の綺子ちゃんがいたからね。  神様のほうが立場上だと思うけど、警察がいるからここで終わりにしとこうって感じ?  お互い引くに引けない状況になってたけど、一目置く存在が出てくれば終われるきっかけになる。 「ごめんねー、びっくりしたでしょう」 「恐かったか? 悪かったな。ほら、たんと食え」  お詫びなのか、みんなあたしにお菓子くれた。小さい子の前で大人げないケンカごめんね~ってさ。  もらった紙袋いっぱいに。ご利益はものすごくありそうだ。 「これどうしよ」 「食べていいぞ。お供物だ」 「お供物になるのこれ」  よく見る市販品けっこうあるな。神様たちも普通に買って食べてるのね。 「士朗お兄ちゃんってすごいね」 「別に。あの二人はたまにケンカするんだよ。もう一人の弟は逃げたな、さては」 「あの神様たち誰なの?」 「アマテラスとスサノオ」  ……へ?  目が点になった。  今なんて言いました? 「……冗談だよね?」 「冗談じゃなくてマジ」  はいいいい?!
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