6 「バナナはおやつに入りますか?」神様たちの大論戦

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 日本トップレベルの神様たちがそんな議題で論争してたの?! 「…………」  しばらくあれこれ考えた結果、結論は。 「平和だね」  綺子ちゃんと同じものだった。  うん、いいんじゃない? そんなのでケンカできるほど暇で仲がいいってことさ。  平和が一番。それで片付けた綺子ちゃんの気持ちがよく分かった。 「神様たちの仲裁できるって、士朗お兄ちゃん、実はけっこうすごい人なの?」 「ていうか、俺は昔、イザナキノミコトを強制憑依させられたことがあってな。その副作用で彼の力が少し体内に残っちまったんだよ」  ん?! またえらいネタバレがキタ。  もうツッコミが追いつかないんですけど?! 「ど、どういうこと?!」 「比良坂家と御影家はライバルでな。お互い京都の鬼門と裏鬼門を守る家なんだ。古くからずっとそうで……対抗心燃やしててさ」 「うちの先代が来るべき予言の災いを防ぐため、あたしに九尾の妖狐の力を注入したのは言ったでしょ。そしたらライバル視してる比良坂家としては、どうすると思う?」 「あ……自分とこも人為的に強力な戦力作ろうとした?」  正解、と二人ともうなずく。 「妖の力を憑かせたんじゃ二番煎じになるんで、他の力を使おうとした。したら、思い浮かぶのは日本古来からいる神々だ。てわけでその中でも最も強いイザナキノミコトを召喚したわけだ」 「陰陽師だよね? 神主や巫女じゃないんだから、上手くいくの?」 「その通り。素人が付け焼刃で強硬したもんだから、早い話が失敗したのさ。上手くいかず、半端に影響だけが残った。ま、罰が当たって先代たちは連行されてったよ」 「どこに?」 「さあ? 黄泉か、どっか刑場か。興味もないし、どうでもいいな」  先代たち……ってことは、士朗お兄ちゃんの親たちのはず。実の親なのに、こんなにもそっけない。  逆に言うと、それほどひどい仕打ちを受けたってことだ。  神召喚の失敗。微妙に残ってしまった力の影響で、体にも異変が起きたはず。  正しいやり方をしても、巫女が耐えきれず死ぬ例はいくらでもある。まして失敗したら。  あたしは士朗お兄ちゃんの服をつかんだ。 「大丈夫? 痛くなかった?」  士朗お兄ちゃんはちょっと驚いたようにあたしを見下ろし、複雑そうな顔で頭をなでてきた。 「大丈夫だよ。ずいぶん昔の話だしな。……そんなわけで、俺はもう人間じゃないんだ。ちなみに蒼太たちもな」
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