1 12才だけどワケあり6才+記憶喪失=イケメン変人義兄4人

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「金あるのは確かだぞ。だから桃は心配しなくていいからな。入院費なんか余裕だったし。ぶっちゃけ桃が一生遊んで暮らせるだけのたくわえはある」 「そうよ。アタシたちだって稼いでるし、平気で養ってけるわ」 「……はあ」  いやいやいやいや、スケール違いすぎてついてけない。  だって、まず家ってあそこに見える一番大きな建物だよね。他にも小さいのがいくつかあるけど、あれは離れとかそういうのでしょ。  めちゃくちゃ横幅ある。しかも、一階建てでその広さだ。ほんとにどこの大名屋敷か。  さらに、どっから現れたのか、大勢の人がずらっと玄関まで並んでる。 「お帰りなさいませ!」  何コレ何このベタな展開。  使用人ってこと?  服装は洋装じゃなくて和装だ。このほうが屋敷には合う。ていうか数十人はいるよね。  唖然としてたら、また士朗お兄ちゃんに片手で抱え上げられた。 「わっ」 「行くぞ」 「え、えっ?」  当然のように屋敷の中へ連れてかれた。蒼太お兄ちゃんたちも気にしてない。  え、こんな対応普通なの?  あたしもこういうお嬢様あつかいされてたわけ? 絶対感覚おかしかったな。  うん、おかしいって気づけた点では記憶なくしてよかったかもしれない。浮世離れしすぎ。  中もめちゃくちゃ長い廊下が続いてた。迷路みたい。 「な、中も広っ。道分かんない! もう玄関まで戻る行き方も分かんないよ」 「あー、そうね。まぁ、わざと迷いやすい作りになってるんだけど」 「なんで? 住むのに困るじゃん」 「防犯上の理由ですよ」  金持ちだから? それなら外の警備を強化してほしい。 「迷う……地図ほしい」 「あはは、描いてやるわけにはいかねーな。しばらくは誰かと一緒に行動するんだな。部屋にある呼び鈴鳴らせば、誰か来るさ」  やっぱり常識がおかしい。  あっちを曲がり、こっちを曲がり。私の部屋に到着した。  障子を開けると、そこは見るからに女の子の部屋だった。  ピンクで統一された室内。  床には高そうなカーペットがしかれ、そこかしこにぬいぐるみやファンシーなもの。小学生用学習机もピンクで、椅子にはフリフリクッション。トドメが「姫か!」とツッコミたくなる天蓋付きベッド。 「うっわ……」 思わずうめいた。 「少女趣味すぎ……。あたしこんな趣味してたんだ」 「やりすぎだったんじゃね?」
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