第四話【くろめはち】

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 俺には、高校時代に仲の良い友人がいた。  そいつは大人しい方だったが、自分というものをしっかり持っている、ちょっと変わった奴だった。  良く一緒に行動していたし、学校以外でも遊びに行ったり飯を食いに行ったりしていた。  大学は別々になったけど、連絡を取り合っていた。  彼女も出来たと言っていたし、就職したら頑張るんだと意気込んでいたのに、ある日道路に飛び出して亡くなった。  それはとても小さな記事で、案の定俺は見落としてしまっていたのだが、そいつの兄弟から連絡が来て知ることが出来た。  目撃した人がいて、どうやら自分からぶつかっていったようだということで、それは自殺として片づけられてしまった。  あいつは自殺なんかしない。  もしそういう気持ちになってしまったとしても、俺に何かしら連絡がくるはずだ。  勝手に自殺だと決めて、大したニュースにもならずに終わって、それがどうにも納得出来なかった。  目撃した奴らは数人いたらしいが、救急車や警察に連絡したのは、その中のたった2人だと聞いた。  「所詮対岸の火事。なら、お前がいなくなることも、同じだな」  みおあさは赤から青に変わった信号を見ると、アクセルを強く踏んだ。  『無断欠席していた女性が、遺体となって発見されました。女性が所持していた水筒に毒物が混入されており、自殺ではないかということです』
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