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私達の一族は、もうすぐ滅亡します。」
あまりの唐突な言葉に、私はますますわけがわからなくなった。
彼女はさらに続けた。
「太陽が第五宮にあって土星が三分一対座にあるとき、炎の五芒星型を描き第九詩篇を三度唱えよ。天球層の外に生まれいずるものあり、との神からの啓示があったのです。」
「それはどういうこと?」
「世愚外素の召喚、つまり生誕です。私達、シャン一族だけがその呪文を正確に唱えることができるのです。
ただし、それには自分達の体が破壊される危険が伴います。私達の体は恐らく滅びるでしょう。
しかし、それが私達、シャンの運命なのです。私達シャンは、確実に次なる次元への輪廻転生が約束されていると信じています。私達が、犠牲になることで、この世界の均衡は保てるのです。」
「そんなことは・・・」
「信じられませんか?」
すかさず彼女は私を真剣な目で見つめてきた。
突然そんな突拍子もない話をされても、私には何も答えることができなかった。
正直、ここに来たことを後悔し始めていた。
「世愚外素の召喚により、今、地殻変動によって人類が滅亡することを、先延ばしできるのです。」
そういえば、最近、地震が頻発していた。そんな、バカな。
「ついて来てください。」
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