①上の村

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彼女が私の先を歩く。 いったい、どこへ行こうというのか。 明日にでも、この村を出よう。 そんなことばかり考えながら、私は、上 真理子のあとを付いて歩いた。 私には、帰る理由がある。 はっきり言って、これは騙されてこの地に連れて来られたのだ。 もっと私は、怒って良いはずなのだが、真理子のどこか悲しそうな顔を見ると、つい何も言えなくなってしまった。 それに、まだ私は、この話を全て鵜呑みにはできずにいた。 もしかして、これから、隕石のある場所に案内してくれるのではという、淡い期待を抱いていたのだ。 生い茂る森の中に、その洞窟はあった。 こんな所に、これほどの大きな洞窟があったとは。 山口県の秋芳洞にも匹敵する、大きな洞窟だ。これほどの洞窟なら、国定公園に指定されていてもおかしくないはずなのに、誰にも知られていないのか。     
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