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彼女が私の先を歩く。
いったい、どこへ行こうというのか。
明日にでも、この村を出よう。
そんなことばかり考えながら、私は、上 真理子のあとを付いて歩いた。
私には、帰る理由がある。
はっきり言って、これは騙されてこの地に連れて来られたのだ。
もっと私は、怒って良いはずなのだが、真理子のどこか悲しそうな顔を見ると、つい何も言えなくなってしまった。
それに、まだ私は、この話を全て鵜呑みにはできずにいた。
もしかして、これから、隕石のある場所に案内してくれるのではという、淡い期待を抱いていたのだ。
生い茂る森の中に、その洞窟はあった。
こんな所に、これほどの大きな洞窟があったとは。
山口県の秋芳洞にも匹敵する、大きな洞窟だ。これほどの洞窟なら、国定公園に指定されていてもおかしくないはずなのに、誰にも知られていないのか。
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