逢う魔時

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藤虎も興奮が極まり、目を血走らせている。痴態を見せて煽り続ける力弥に乗せられ理性を一度手放してしまえば、それこそ力弥を壊してしまうほど手荒く抱いてしまう。 藤虎の脳裏に、郵便受けに残されていた一枚のメモの文言が浮かんだ。 「立川力弥はホモの淫乱」 読んだ瞬間に虫唾が走る言葉が、筆跡をごまかすためか角張った字体で書かれていた。力弥が来てから一カ月もたたないうちに居所がばれたことに、藤虎の危機感が募る。金に困っているという力弥の父親が、優秀な探偵を付けることはできないだろう。恐らく、前住んでいた団地を探すだけでもかなりの金額を注ぎ込んでいるはずだ。父親とつながっている協力者がいるのではないか。狙っているのは力弥の金か、それとも…力弥自身か。 メモの文言を思い出して、藤虎はふと考える。 (俺が力弥さんと付き合っている、とは気づかれていない?友人が泊めている、と思われているから、力弥さんが追い出されるよう仕向けるために、あんな文言にしたのか?) そこで一旦思考を切ると、藤虎は体を起こし、体位を正常位へと変える。そして艶めかしく横たわる力弥の肩先に両肘をつくと、頭を軽くホールドした。
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