逢う魔時

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どれくらいの間、惰眠をむさぼっていたのだろう。気づけばカーテンの隙間からは昼の強い日差しが差し込んでいた。力弥は重い体を何とか起こし、水を飲もうとベッドから降り立とうしたが、一歩踏み出したところで腰が抜けたようにそのままへたり込んでしまった。 とすん、という音に気付いた藤虎が寝室のドアを開ける。 「力弥さん、大丈夫?」 明け放ったドアから、食欲をそそる匂いが漂い、力弥が返事をする前に腹が可愛らしい鳴き声をあげた。 「ひゃっ…」恥ずかしそうに腹を押さえる力弥の、少しだけ痩せて骨ばった気がする体を、藤虎がそっと抱きしめる。 「力弥さん、飯にしよう。それとも先に、シャワー浴びる?体は一応、きれいに拭いたつもりだけど。」 藤虎に抱かれたまま、力弥は体をもぞもぞと動かす。「ほんとだ。じゃ、一緒にご飯食べる。藤虎、ありがと」そう言って、柔らかく微笑む。 「どういたしまして。じゃ、これ着よっか」そう言ってクロゼットから自分の長袖Tシャツを取り出す。 「これ、藤虎の…。」 「いいから、いいから。」
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