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あきらめ半分で待っていた返事は、数分後に返って来た。
“おー!フジ!元気か?今どこ?”
“東京だよ。まあまあ元気にやってるよ。ジャンとエミールは?”
“俺たちもまあ元気だ。ちょっと待って。エミールもいるから、ビデオ電話に切り替えようぜ。”
“了解。”
ちょうど午後の休憩に入っていた『ル・ブルジョン』で、ジャンはエミールを大声で呼び出した。
「おい、エミール!フジとビデオ電話しようぜ!」
「フジ?今、行く!」
厨房からやってきたエミールも、ジャンの隣に腰をかける。
「ジャン!エミール!」
「よお!フジ!何年ぶりだよ!」
「あー、二年以上経ったね。」
「そうか、そうか。それにしても、どうしたよ。こっちに来る予定でも入ったか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど…。前さ、二人の店に日本人のシェフがいたって言ってただろ?それって、リキヤって人?」
「リキヤ?…ああ!リッキーの本名だな?そうそう、リッキーはここで俺たちと働いてたぜ。」
「リッキーと知り合ったの?」エミールがスマホの画面に向かって嬉しそうに話しかける。
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