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「……そうだよな。」
「あいつは大事な王子様ががんか何かで亡くなって、それを知って急遽、日本に帰ったんだ。帰国前にリヨンに立ち寄った時も、気丈に振る舞ってはいたけど決して立ち直ってはいなかった。…あいつは、頑張りすぎるからな。」
「そんなことがあったなんて、知らなかったよ…。って、王子様って、どういうこと?力弥さんって男と付き合ってたの?」
「本当に何も知らないんだな。お前、本当にリッキーの友達なのかよ?ただ、まとわりついてるだけじゃねえだろうな?」
「そんなことない!…はず。よく飯食ったり、遊びに行ったりしてるし。でもさあ、力弥さん、あんまり心を開いてくれねえんだよ。なんか、一線引かれてるみたいでさ。」
「心を許せば、人懐っこい奴だ。なあ、エミール。」
「うん、ほんとにそう。気立てのいい子だよ。だからフジ、リッキーがまだ寂しい思いをしてるんだったら、甘やかしてあげたら?」
「おう!俺、頑張るわ。」
「あー、俺、余計なことしゃべっちまったかなー。リッキーにばれたら怒られるかなー…」
「おっと、そろそろ仕事に戻る時間だよ、ジャン。」
「じゃあ、二人とも元気で!いつか、リッキーと遊びに行くよ。」
「おう、ぜひそうしてくれ。」
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