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通路側の男はゆっくりと目を閉じた。
この男に卑猥な言葉を囁いて、真っ赤に染まる耳を噛んでやりたい。その耳の穴に舌を突っ込んで喘がせてから、首筋に舌を這わせよう。瞳からこぼれる涙を啜り上げたら、その柔らかそうな唇が戦慄くほど突き上げて、快楽に溺れさせてやる…。
(男に欲情するなんて、俺も相当たまってんな。日本に着いたら、あの女を呼びつけるか。)
ぼんやりと機内誌を読んでいた力弥が、自分のことを夢想してにやつく隣の男の様子に気付くことはなかった。
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