せせらぎ

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「あ、あ、藤虎…ろ、ローション、僕、持ってきた…から…ちょ、ちょっと…んっ!んぁっ!ま、待ってぇ!」 静止の声も聞かず、指にまとわせたそれを固く閉ざした蕾に押し込める。 「…ここ、久しぶり?」 コクコクとうなずく力弥。 「一人で、しないの?」 「う、後は…しない…。じ、自分でしても、気持ち、よく、ないか…らあぁっ!あっ!まっ…てっ…てばあ!」 藤虎は中指をずぶりと突っ込むと、力弥のイイトコロを探して指をグニグニと動かしていく。 このとき、藤虎はためらうことなく口淫を仕掛けてきた淫らな力弥に興奮しながらも、その技を仕込んだ男に嫉妬していた。過去も含めて全部好きだと告白したばかりなのに、舌の根も乾かぬうちから、力弥の過去にどす黒い感情を抱いてしまう。筋を浮かせた自らの太く硬いそれを、早く挿れたい。肉筒を自分の形に変え、内壁の奥の奥まですべて自分の色に塗り替えてしまいたい。 弄る指を二本、三本と増やしながら興奮で息を荒くする藤虎に、切羽詰まった喘ぎ声を上げていた力弥が声を掛ける。 「ふじぃ…ん…ちょっと…だけ…待って…ね…んんあ…ああ…ふじぃ!」
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