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op.
真っ暗な部屋に蝋燭が1つ。
ワインを回しながらソファーで寛ぐ初老の男性にスーツの男がそっとやってきた。
「閣下、お耳に入れたい事が。」
「…なんだ。私は今機嫌がいい。」
ニヤリと笑いながら言う姿は如何に趣味が悪い事を悟らせる。
スーツの男は一礼して告げる。
「どうやら教皇のお気に入りがあの魔法学園へ入学すると情報が入りました。」
「…ほう。とても面白いじゃないか。あの教皇なら己の手中に隠すと思ったんだがなぁ。」
「また駄々を捏ねたそうで。」
「次こそは手に入れようぞ。聖石を。ヴィシュタリアの心臓を。」
「勿論でございます。」
「計画は順調か?」
「次こそ期待に応えてみせましょう。」
「頼むぞ。私はアレが欲しくて堪らない。」
「承知致しました。私共にお任せを。」
「下がれ。」
スーツの男は影に消え、彼は暖炉に揺れる炎に手を伸ばす。
「…次こそはあの心臓を手に入れるのだ。」
次の瞬間、暖炉の炎が激しく燃え盛った。
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