花信風(かしんふう)

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「俺もその同窓会に行けば良かったなあ。 丁度、仕事が忙しくてさー。 だって石原さん、毎回欠席だったクセに、 そん時だけ参加するなんてビックリだよ」 …当時、私は33歳で。 イイ感じだと思っていた森嶋くんが その数カ月前に突然別の女性と結婚し、 とても焦っていたのである。 あの時はねー、 ほんとムカついたなー。 だってキスとかしてきたクセに、 『もしやケンカ友達から恋人に発展?』 なーんてドギマギしていたら、 どこぞの美女とアッサリ結婚しやがんの。 しかも毎日のように愚痴を言い合ってた 同じ営業部の後輩女子が、 幼馴染と再会して電撃婚とかさ。 正直、心を病みかけてたね。 取り残されていく感じがハンパ無くて、 寂しくて寂しくて。 一生このまま誰とも結婚しないのかな、 私ってそんなに需要無いのかな、 なんてどんどん落ち込んで。 落ちまくった後は 妙にポジティブになったと言うか。 たぶん感情のバイオリズムが あまりにも急降下したせいで、 後は上がるしか無かったんだな。 >だってそこそこ美人だよ?! >きっと結婚したらお得だよ?! >私だったら絶対に、 >私と結婚したいもん!! …なんて本気で思っていたりして。
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