小早川!

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小早川!

 アキラはベレッタの他にUZIサブマシンガンを選んだ。ユイカは9ミリパラベラム弾をありったけポシェットに入れた。  「銃はいいのかい?」  「持っている」ユイカはグロッグ17を携帯していた。ビービーと、警報が鳴る。   清水がモニターを見た。  「くそ!小早川の野郎!」   小早川秀秋が寝返った。 「俺たちの戦い、とくと見ておけ!」   清水軍団は小早川軍団を蹴散らした。一人だけ小柄な奴を逃がした。  アパートに戻り唖然とした。タンクローリーがアパートに突っ込んでいた。  梅から桃の季節に移り変わる。   白骨死体の身元が判明した。  細川藤孝だった。  タイムスリップがあたりまえのご時世になった。藤孝は俳優として活躍していたが行方不明になった。  東武警察署に通報があったのは、2年前の6月だ。浪花刑事は京都府警の神崎みき刑事とコンビを組んだ。  「ナビゲーションをよろしく」と、みき。 「こちらこそ」  「現場にもう一度行ってみましょう」  「どうでもいいですが、訛っていませんね?」  「生まれは神奈川なんです。浪花さんは、大阪出身ですか?」  「親父が神戸出身なんです。でも、私は東京で生まれました」   現場が佐々木小次郎やフロイスが勤めていた工場から近いので職場の人間を疑った。  廃墟をジッと見つめている男がいた。指が青い。現像液?印刷関係者か?   柳生十兵衛は宇都宮に逃れていた。小次郎を殺害した翌日、黒崎フーズに出社した。   それまで、ゴミを扱うかのような上司の態度がガラリと変わった。 「柳生くん、いつも頑張っているな?どうだ?うちで社員として働いてみないか?」   上司の斎藤龍興がオドオドしながら言った。 「せっかくですがお断りします。やっとハケンが正々堂々いられるようになったんだ。社員になるつもりはありません」   宍戸梅軒を殺そうと思ってワクワクしていたのに、出社していなかった。   プレデター宇都宮支店で事務の仕事をしながら食い繋いだ。宇都宮に来たのは、宍戸の目撃情報があったからだ。  3月最初の土曜の夜、オリオン通りを歩いていたときだ。前を歩く女に見覚えがあった。  由奈だ。俺を騙した罪深い女だ。  由奈をコンビニのトイレに連れ込み、メッタ刺しにした。グサ!グサ!グチャ!グチャ!
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