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「メオ?メオっていうんだな!」
その人間はメオと呼ばれていました。だから私はその名前を借りて名乗る事にしました。憧れた素敵な名前です。
「俺はカーク。よろしくな」
カーク、と名乗った人間は私に手を差し出しました。私も同じように手を伸ばして、その手を握りました。
「じゃあ、この森について教えてくれる?」
それに頷いて、この森に住むモンスターによるこの森講座が始まりました。
少し話が長くなるとカークさんは寝ようとするので、それを起こしながら、話を木の葉に書いて続けました。ついでに、この森の先の事も少し教えてあげました。
そして講座が終わり、カークさんに薬草や毒消し草を渡しました。
「これ、持って行って良いの?ありがとう」
住み家の前までカークさんを見送りました。その後、風の噂で聞きました。この世界で一番悪い大魔王様が倒されたと。
ならば私達も消えるかもしれません。私達、モンスターは大魔王様に作られた存在だという事は知っています。
「メオ!」
急に懐かしい声が聞こえました。その声は私の憧れた名前を呼びました。
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