別に良いじゃない

2/3
前へ
/3ページ
次へ
 今日ヒロと昼休み遊ぼうとしたら、断られてしまった。 正確には『今日も』だった。最近ずっと昼休み遊ぼうって声掛けても断られ続ける。どうしてだろう?小学校の時は幼馴染なこともあって1番仲良く遊んでた。2人でキャッチボールをしたり、追いかけっこするのは本当に楽しかった。またやりたいのにヒロはそうじゃないのかな?中学に上がってすぐはまだ一緒に遊んだりしてたのに。  でもクラスの女の子に「浩樹くんだって男同士で遊んだ方が良いよー」って言われてからヒロは変わってしまった。  私が遊ぼうって言っても無視するし、あげく「お前も女の子の同士で遊べよ」って言ってさっさと自分も男子のグループの中に入っていっちゃう。  別に私も混ぜてくれたら良いのに。そうは思うけど、仕方なく私は女子のグループで遊ぶ。遊ぶと言っても一緒に話したり、お菓子を食べたりするだけだ。もちろんそれも楽しい。エリちゃんやサヨは大切な友達で、メイクやアイドルの話で盛り上がる。  でも私はヒロと遊ぶのが1番しっくり来るんだ。そのことをエリちゃんとサヨに話すと――  「えー!あんた浩樹くんのこと好きなの~!?」  2人にどっと笑われてしまった。    何でそうなるの?ヒロとは親友なだけなのに。  「マジでさー、亜矢のそういうトコ直した方が良いよ」  エリちゃんが呆れながらも真面目に言う。  「そうそう、私たちもう中学生なんだし、いつまでも子供っぽいこと言い続けたら駄目だよ」  サヨもジュースを飲みながらエリちゃんに同意する。  どうして中学生になったらヒロと遊んだらいけないの?私には分からないまま。でも2人に突っ込んで聞くのは出来なかった。なんだか私に諭そうとしている2人は私とは別の生き物に思えたから。  
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加