チートな世界の片隅で

8/10
前へ
/328ページ
次へ
スピカは本音を述べる。 「監獄島には嫌な予感しかないだろ」 隊長は座っていた場所から降りるとスピカに近寄っていった。 「早めにお話を聞いてきます」 「そうしてくれ。俺の気が変わらないうちに」 「はい」 スピカが返事をすると彼はどこかへ消えるように走り去ってしまった。 ドラゴン遺伝子と人間の組み合わせとまで言われる彼の動きの速度は人間には見切れない。ネリーですらかけっこで負けるのだ。 スピカは渋々山を降り、マナに話を聞き出す方法を考えた。 その機会は次の日に訪れた。様子を見に行ったスピカが目にしたのは孵化したばかりの雛に囲まれたマナであった。どうやら刷り込み現象を起こされたらしい。雛を広い集めたあとにマナは監獄島まで逃げてきた経緯を語り始めた。
/328ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加