ハダカノオウサマ

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ハダカノオウサマ

辞めさせた新人の数を自慢するたび、彼のうしろに並ぶ影が増えてゆく。 離れた方がいい。 ワカレタホウガイイ。 ろくでもないやつだ。 口々に言う影たちにうなずく。 どうしたの? 彼が問い、私は答える。 もう会いたくない。 彼の右手が、ひゅっと空を鳴らす。 影が、それを握りしめ、抑える。 バイバイ、ハダカノオウサマ。 出ていく背中に降るのはキスでなく、罵詈雑言。 ねえ、そうやって、誰かを苦しめてきたんだね。 彼には聞こえない。 聞こうとしない。
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