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「いえ……私も変にビックリしちゃってすみません……」
「改めて、いらっしゃいませ! 僕、ここの店員でオーダーメイドの相談とかを担当してるんだけど、二人ともどんな石を探してるの?」
店員という割にフレンドリーな対応だが、女子高生にはそれくらいのノリの良さがあった方がいいのかもしれない。
特にこういった店は少し入りづらい印象もあるし、この店は高価な宝石も扱っているようで敷居も高い。
しかし、この男性店員のノリは、そういったものを感じさせず、親しみやすさがあった。
「あのっ! 私、恋愛に効く石を探してるんですっ」
いつもよりワントーン高い声で話す萌を見て、真結はあんぐりと口を開けそうになる。
……萌の目がハートマークになっている。
「恋愛ね! 色々オススメはあるんだけど、まずは自分でピンときた石を数点選んでもらえるかな?」
「あ……でも私、オーダーメイドとかじゃなくて……」
オーダーメイドは既製品よりも値が張る。
そこまでのお金を用意してきていない萌が言いづらそうにそう伝えると、店員は安心させるようにニッコリと笑った。
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