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真結がバッと店員を見上げると、彼は相変わらずニコニコと愛想よく笑っていた。
しかし、真結を見る眼差しはこちらを探っているようなもので、真結は一歩後ずさりする。
「ごめん、君を怖がらせたい訳じゃないんだ。ただ、君には本来見えないものが見えるみたいだからさ」
「……あなたにも、見えるんですか?」
彼が言ってるのは、明らかにあの外国人たちのことだ。
彼にも見えているのだとすれば、彼が根源──。
「僕には見えないはずなんだけど、一瞬だけ見えちゃったんだよね」
「……」
真結は彼を見つめながら、この人物が根源ではないと判断する。
「見えない」と言っている彼の言葉は本当だと思ったし、彼が根源なら、もう一度あの外国人たちの姿が現れてもいいはずだ。
そうなっていないということは、彼は普通の人。しかし、ただの店員ではなさそうだ。
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