(1)ココロノオクソコ

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 真結がバッと店員を見上げると、彼は相変わらずニコニコと愛想よく笑っていた。  しかし、真結を見る眼差しはこちらを探っているようなもので、真結は一歩後ずさりする。 「ごめん、君を怖がらせたい訳じゃないんだ。ただ、君には本来見えないものが見えるみたいだからさ」 「……あなたにも、見えるんですか?」  彼が言ってるのは、明らかにあの外国人たちのことだ。  彼にも見えているのだとすれば、彼が根源──。 「僕には見えないはずなんだけど、一瞬だけ見えちゃったんだよね」 「……」  真結は彼を見つめながら、この人物が根源ではないと判断する。  「見えない」と言っている彼の言葉は本当だと思ったし、彼が根源なら、もう一度あの外国人たちの姿が現れてもいいはずだ。  そうなっていないということは、彼は普通の人。しかし、ただの店員ではなさそうだ。
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