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「あなたが真結ちゃんね」
陸は髪の色も瞳の色も明るい茶系なのに対し、海は髪も瞳も漆黒で、陸とは対照的だ。この二人が姉弟というのは意外な気もするが、美形という点では疑いようがない。
海は真結を見て優しく笑む。真結はその姿につい見惚れてしまった。
「はじめまして。「Milestone」オーナーの森園海です。陸から真結ちゃんのことは聞いてるわ。ずっと会いたいと思ってたんだけど、やっと会えて嬉しいわ」
「あ……あのっ、私もお会いできて嬉しいです! 常盤真結です。よろしくお願いします!」
声が裏返りそうになってしまう。同性にも拘わらずドキドキする鼓動が収まらない。
「このタイミングで戻ってくるとか、本当にどうなってるのかと思うよ」
呆れたような陸に、海はクスクスと笑う。
「そうね、自分でもそう思うわ。大輝君から軽く事情は聞いたけど、まさにタイムリー。あ、ごめんなさいね、待たせちゃって。どうぞ、入って」
海は後ろを振り向き、声をかけた。すると、一人の男がおずおずと休憩室に入ってくる。その人物を見て、全員が息を呑んだ。
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