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「後ろめたいからかな、あれ以来、またお前に何か言われるような気がして、まともに話せなくなった。真結だってショックを受けて、それでも俺のために言ってくれたのにな。本当にごめん」
「ううん……」
そんな事情があったとは思わなかった。知っていたならもっと言いようがあったのに、と後悔が募る。
「でも、俺なりに千勢に確かめたんだ。そしたら逆ギレして、何故かお前を引き合いに出してきた」
「……私は、お兄ちゃんと血が繋がってないから。常盤の本当の娘じゃないし」
「……知っていたのか」
幸成が驚きの反面、やはり、といった複雑な表情をした。もしかしたら、という気持ちもあったのだろう。
「どうして知った? もしかして、千勢から聞いたのか?」
一瞬答えに躊躇したが、今更誤魔化してもしょうがない。真結はコクリと頷いた。
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