プロローグ

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 ◆◆◆  通りから少し外れた裏道は人通りがほとんどない。  看板が出ていなければ気付かずに通り過ぎてしまいそうになる入口には、来客を知らせる鈴がぶら下がっていた。  扉のすぐ近くの窓からは店内の様子が見えるようになっているが、型ガラスになっているのではっきりとは見えない。  しかし、所狭しと並べられたアクセサリーの数々は確認できる。ガラスケースの中には高価な宝石もあるようだ。    持ち主となる客と、鉱石(いし)との「縁」を結ぶ店。  ──鉱石ショップ「Milestone《マイルストーン》」は、のんびりとした佇まいで、訪れた人を温かく迎え入れる。  鉱石との縁は一期一会。  鉱石との出会いも、人と同じだ。ある種運命的で、かけがえのないもの。  そして時には、それが人の人生を大きく変えてしまうことさえある──。
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