(1)ココロノオクソコ

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 ◆◆◆  小一時間ウロウロと彷徨い、やっと見つけたお目当ての店。  常盤真結(ときわまゆい)はクラスメートの山崎萌(やまざきもえ)に連れられ、ここへやって来た。 「なんでこんなところにあるの……」  店の前でぐったりと息をつきながら、真結は辺りをぐるりと見渡す。  普通の住宅街にいきなり店が現れるといった風で、看板がなければ絶対に見過ごしてしまうだろう。というか、すでに何度か見過ごしていた。 「ここ、何回か通ったよね」  携帯で地図を確認していた萌もぐったりとしていた。  しかし、萌はやっと目的の場所に来られた喜びで顔を綻ばせる。 「入ろう!」 「あ、うん……」  萌が扉を開けると、チリンと可愛らしい鈴の音が響く。  二人がゆっくりと店内に入ると、そこにはたくさんの石が並べられていた。
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