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職員室で担任に日誌を渡し、真結は寮に帰ろうと裏門へ向かう。
真結が生活している城央大附属高校の女子寮「椿寮」へは、裏門から出た方が近いのだ。
のんびり歩いていると、門の近くに立っていた人物が真結に気付いて近づいてくるのが見えた。
「あれ……?」
猫背気味のせいか、前髪で顔が隠れてしまっていたが、空だとわかった。
「青柳君?」
「……」
真結は自分の目の前で立ち止まった空を見上げ、じっと見つめる。
「Milestone」での空と、学校での空、ギャップが大きすぎてまだ慣れない。
学校での空はできるだけ目立たないようにしているのか、存在感が薄い。クラスメートと話をしている姿もほとんど見ない。
いつも静かに本を読んでいるか、ぼんやり外を眺めているか。クラスメートも空を気にする様子は一切ない。
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