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「Milestone」に到着すると、すぐさま陸が二人を見つけ、笑顔でやって来る。
「こんにちは、真結ちゃん。また会えたね」
「こんにちは」
この間は一瞬怖いと思ってしまったせいで躊躇したが、今度は差し出された手をそっと握った。
「よかった、また拒否られたらどうしようかと思った!」
「すみません……。この間はビックリしちゃって」
「そうだよね。僕もちょっと驚いてさ、警戒しちゃったんだ。ごめんね」
「いえ」
これまで見えなかったものが見えたのだ。陸だって驚いたに違いない。
「陸、今日はオーダーメイドの予約が入ってるんだろ?」
空が言うと、陸は「うん」と頷いた。
「女子高生。恋愛か勉強か、そんな感じかなとは思ってるんだけど」
「でも、オーダーメイドだろ? 結構な金額なのに、恋愛だの勉強だのにそんなにお金をかけるか?」
「かけるよ。本当に切実に願っているなら、金額なんて関係ない。ね、真結ちゃんもそう思うでしょ?」
陸に聞かれ、真結はコクリと首を縦に振る。
他人からすれば何ということもない願いであったとしても、本人が切羽詰まっていればどんなことにもすがりたくなるだろう。
多少値が張っても、それで叶うのであれば、そう信じられるのだとすれば、お金をかける価値はあると思う。
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