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「ふぅーん、そんなものなのか」
「まぁ、飲み込み早くてそんなに苦労しなくても成績上位者の空にはわかりづらいかもしれないけどね。恋愛関係は空にはどうでもいいんだろうし?」
「……」
空は一瞬ムッとするが、すぐに「そうだな」と納得して店の中に入っていった。
「あーあ、面白くない。空っていつもあんな感じだから、からかい甲斐がないんだよねぇ」
そう言って苦笑する陸に、真結は小さな笑みを漏らす。
確かにあれではからかい甲斐がないだろう。
「青柳君って成績良かったんですね。知らなかった」
「あれ? 同じクラスなんでしょ?」
「はい。でも、自分の成績を気にするのに精一杯で、人のなんて見てないですから」
「なるほど。あいつ、学年でも相当上の方にいるよ」
「嘘っ!?」
真結が大きく目を見開くと、陸はニッと笑ってうんうんと嬉しそうに頷く。
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