(1)ココロノオクソコ

63/101

129人が本棚に入れています
本棚に追加
/257ページ
「うわぁ……」  キラキラと眩い光を放つ宝石たちに、真結は息を呑んだ。  どの宝石も自分を主張するかのごとく強い力を放っていて、真結はそれに圧倒されるばかりだ。 「すごいですね。ものすごいエネルギーを感じるというか……。綺麗なんだけど、本当に強い……」 「そっか、真結ちゃんにはそう感じるんだね」  小さな一室に並べられたたくさんのショーケースを一つ一つ確認しながら、陸が真結に笑いかけた。 「陸さんには、ルイさんが見えないんですよね?」 「うん。でも、空から聞いてるから存在は知ってるよ。すっごい美人らしいし、僕も会って話してみたいんだけどね」  鉱石たちの方は陸を知っている。しかし陸の方は空から話に聞くだけで、その姿を見ることはできない。  それは何となく寂しくて、もどかしい気がした。
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

129人が本棚に入れています
本棚に追加