(1)ココロノオクソコ

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「すごい……」  どう言葉で表現していいのかわからなかった。  最高級の色だと言われるのも当然だと思う。深い深い赤は、名が示すとおり血のように深い色だ。しかし、鮮やかでもあり、強烈な個性が感じられる。宝石の周りからオーラのようなものが立ち上っている気がして、鳥肌が立った。 「ルビーは宝石の女王とも呼ばれている。その中でもピジョンブラッドは最高級だ」 「女王の中の女王って感じですね。……ルイさんがあれだけ言うのもよくわかります。ルイさん自身もそれくらい完璧で美しい人でした」 「うわー、益々見たいなぁ。この間見えたのは一瞬だけだったからなぁ……」  その後、他の鉱石たちの本体も見せてもらう。  スターサファイアであるセイ、ローズクォーツであるロゼ、エメラルドのヴェル、ブラックスピネルのノイ。  どれも個性的で美しい輝きを放っていた。  この間は眠っていて会えなかったアメシストのヴィオ、アンバーのコハク、セレナイトのクラルの本体も目にすることができ、気付けばあっという間に三十分が過ぎていた。
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